ダレスバッグ 特注アルミフレーム構造のD.Brief
フラッグシップ「Totem」シリーズ解説No.3
特注アルミフレーム構造のD.Brief
こんにちは。
今日はTotem Re Voooのシリーズ「Totem」の代表的アイテム「D.Brief」の構造についてご紹介したいと思います。
前回までの記事
フラッグシップ「Totem」シリーズ解説① 超強靭繊維「Kevlar®」配合の素材
フラッグシップ「Totem」シリーズ解説② 世界随一の絶妙な風合い「トスカーナレザー」の魅力
TRV0001 D.Brief
品番からもお分かりいただけるようにTotem Re Voooの初めての製品です。
クラシックで、かつ古臭くなく、今までになかったダレス構造のバッグを作りたい、という想いで出来上がったこの製品ですが、最大の特長であり最大の難関がこの構造でした。この構造について解説していきます。
一般的なビジネスバッグの構造は、外側に革を巻いて仕上げる”外巻き式”と呼ばれる仕様がポピュラーです。
近年はビジカジと呼ばれる、少しカジュアル要素を入れた仕事のスタイルも増えたため外巻き式ではなく袋状の構造をしている鞄も増えました。TUMIやorobiancoなどがそうですね。
そして、”外巻き式”の最もスタンダードなデザインはファスナー開閉構造です。
TRV0002 Standard Brief
こちらがその例です。「Standard」なのです。街でもよく見かける、安心感のあるデザインです。
対して、D.Briefはファスナーの代わりになる開閉構造としてアルミフレームが入っています。
↑↑このまま自立してくれるので使い勝手も大変良いのです。
鞄内部に前後のアルミフレームがセットされており、V字型に開閉します。
これはダレスバッグの構造で、昔のドクターバッグから影響を受けたデザインです。
ちなみに欧米ではDoctor’s bagですが、アメリカから来日した国務長官のダレス氏が持っていたことから、日本ではダレスバッグとして定着しています。
※そのため、ダレスバッグという名前は和製英語です。
ダレスバッグ構造にすることのメリットは色々あるのですが、
・開口時の安定性 ⇒ しっかり自立する
・開閉時に音がほとんどしない ⇒ 静かな場所でその良さを実感します。
ファスナーの”ジジジ”という音が粋でないと思う人もいます。
・見た目が大変スッキリする ⇒ よりシンプルな見た目になります。
もちろんファスナーにはファスナーの良さがありますが…
デメリットもしっかりあります。
・金属のフレームが入っているため、重量が増えやすい
・フレームが高価なため、価格が高くなりやすい
・製造に必要なハードルが高く、簡単には作れない(必要な機材、技術が色々あります)
Totem Re Voooとしてこの製品を開発することになったキッカケとしては、私たちがこの構造を得意としていること、またフレーム構造で最高に素晴らしいと思える鞄がなかった、というのが理由でした。
市場に「いいものがない」のには当然、理由がありました。
その理由が私たちのハードルとなったのです。
・フレームが入るため、細身でスマートな鞄にできない
・フレームが入るため、デザイン性に大きな制限がある
これらは、ダレス構造の鞄が「昔っぽい」「おじさんっぽい」印象である所以です。
そこで、私たちはフレームを特注し、何度も試作を繰り返して従来のものよりも強度を保ったまま薄く作り、さらに一般的なコの字型の形状を見直し、職人による手曲げを加えて緩やかな弧をつけました。
そうして新しいフレームが出来上がり、クラシックな中にも現代的でスタイリッシュな、Totem Re Voooにとってフラッグシップモデルとしてふさわしい鞄が出来上がったのでした。
フレームは緩やかな弧を描き、鞄のシルエットは弧と調和するデザインになっている。
文章にしてしまうと簡単に見えてしまいますが、この造形にたどり着くまでにフレームづくりから縫製まで、多くの職人の努力が詰まっているんですね。
一生付き合える鞄だと思います。
ひとつの鞄と永く向き合っていきたい、一緒に歳をとりたいなあ、なんて考える方にはD.Briefをおすすめします。
この鞄には、まだまだ語り切れない魅力がたくさん。
続きは、次回です。
今回ご紹介したTotem Re Voooフラッグシップ「Totem」はこちらからお求めいただけます。
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最高級の素材を使い職人が造り上げる「豊岡鞄®」認定の鞄、Totem Re Vooo